ロザナラの引退レース

ヨーロッパの平場シーズン、イギリスとアイルランドのパターン・レースは全て終了しましたが、フランスは11月中旬までの2週間ほどを残しています。
昨日はサン=クルー競馬場でフロール賞(GⅢ、3歳上牝、2100メートル)が行われました。

出走馬は13頭。4頭の古馬に対し9頭の3歳馬が挑戦する形で、去年のマルセル・ブーサック賞(GⅠ)の覇者ロザナラ Rosanara が33対10の1番人気。
これまでGⅠ路線を走ってきたロザナラ、GⅢに格下げしたここは楽勝が予想されましたが、結果は4着敗退で期待を裏切ってしまいました。

32対1という大穴で逆転劇を演出したのは、ロザナラと同じ厩舎(アラン・ド・ロワイヤー=デュプレ)、同じ馬主(アガ・カーン)のヴァラシーラ Valasyra 。最後方から直線だけで外から追い込み、ボード・ミーティング Board Meeting に4分の3馬身差を付けるサプライズです。
更に4分の3馬身差3着に2007年のこのレースの覇者ラ・ブーム La Boum の順。ロザナラもヴァラシーラと同じ位置から追い上げましたが、勝馬ほどの伸び脚は見られませんでした。

レース後、勝馬とロザナラを管理するデュプレ師からロザナラの引退が発表されました。競走馬として疲れ切っている、というコメントです。

ロザナラは2歳時、2戦目でマルセル・ブーサック賞に優勝。3歳の今年は仏1000ギニー4着、仏オークス2着などGⅠ戦の常連でしたが、結局は1勝も出来ずにアンラッキーなシーズンを終えました。特に仏1000ギニーでは勝負所で進路妨害を受けたのが致命的でした。
クラシックの後もナッソー・ステークス、オペラ賞と期待されながら、結局は結果を出せずに競走生活に幕を下ろすことになります。

血統的にもレース内容からも長い距離に適したタイプと看做されていただけに、1マイルから2000メートル前後のレースだけでの競馬に終わったのは残念な気がします。
生涯の成績は9戦2勝。アガ・カーンの誇る名牝系を後世に伝える1頭になっていくことは間違いないでしょう。

一方、勝ったヴァラシーラは3歳でデビューした馬。未勝利のまま仏オークスに出走しましたが、それはロザナラのペースメーカーとしての役割でした(9頭立て7着)。
その後4戦目のメゾン=ラフィットで初勝利。今回のフロール賞はパターン・レース2度目の挑戦での金星でした。鞍上はグレゴリー・ブノワ騎手。

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